更年期に入り、髪のボリュームダウンや分け目が気になり始めると、おしゃれをする意欲さえ失せてしまうことがあります。しかし、ヘアスタイルや日々のスタイリングを少し工夫するだけで、悩みは驚くほど目立たなくなり、むしろ年齢を重ねたからこその洗練された魅力を引き出すことができます。大切なのは、無理に「隠す」のではなく、上手に「カモフラージュ」し、視線をコントロールすることです。まず、思い切って髪を短くする「ショートヘア」や「ボブ」は、非常に有効なスタイルです。髪が長いと、その重みでトップがぺたんこになり、薄さが際立ってしまいます。短くすることで髪全体の重さが軽減され、根元が自然に立ち上がりやすくなります。特に、トップにレイヤー(段)を入れて動きを出したスタイルは、ふんわりとしたボリューム感を演出しやすく、おすすめです。ミディアムヘアを維持したい場合は、「分け目」に工夫を凝らしましょう。毎日同じ位置でくっきりと分けていると、その部分の地肌が目立ってしまいます。ドライヤーで髪を乾かす際に、分け目をつけずに根元を立ち上げるように全体を乾かし、最後に指でジグザグにぼかすように分けるだけで、印象は大きく変わります。また、思い切って普段とは逆のサイドから分けてみるのも効果的です。根元の立ち上がりがリセットされ、自然なボリュームが生まれます。さらに、「パーマ」を味方につけるのも良い方法です。髪全体にゆるやかなウェーブがあるだけで、髪と髪の間に空気が含まれ、全体が豊かに見えます。特に、トップの根元だけを立ち上げる「トップパーマ(プリカール)」は、ダメージを最小限に抑えながら、朝のスタイリングを格段に楽にしてくれます。スタイリング剤は、重いオイルやワックスは避け、軽い質感のムースやスプレーを、髪の内側から持ち上げるように使うのがコツです。髪型一つで、気持ちは驚くほど前向きになります。信頼できる美容師に悩みを相談し、新しい自分の魅力を発見してみてください。