産後の抜け毛が気になる時期は、髪も頭皮も、非常にデリケートな状態にあります。この時期に、間違ったヘアケアを行ってしまうと、ただでさえ抜けやすい髪に、さらにダメージを与え、抜け毛を助長してしまう可能性があります。頭皮と髪を、いたわるための、優しいヘアケアのポイントを、いくつかご紹介します。まず、毎日の「シャンプー」の見直しです。洗浄力が強すぎるシャンプーは、頭皮を守るために必要な皮脂まで奪い去り、乾燥やかゆみの原因となります。産後のデリケートな頭皮には、洗浄力がマイルドで、保湿成分が配合された「アミノ酸系」のシャンプーがおすすめです。そして、洗い方が何よりも重要です。爪を立ててゴシゴシと強く洗うのは厳禁。指の腹を使って、頭皮を優しく、マッサージするように、揉み洗いしましょう。血行が促進され、リラックス効果も期待できます。すすぎは、時間をかけて、シャンプー成分が頭皮に残らないよう、徹底的に行います。次に、「髪の乾かし方」です。濡れた髪は、キューティクルが開いて、非常に傷つきやすい状態です。タオルで髪を拭く際は、ゴシゴシとこするのではなく、タオルで髪を挟み込むようにして、優しく、ポンポンと、水分を吸い取らせます。ドライヤーを使う際は、頭皮から20センチ以上離し、同じ場所に熱風が集中しないように、常にドライヤーを振りながら、髪の根元から乾かしていきます。自然乾燥は、頭皮に雑菌が繁殖する原因となるため、避けましょう。そして、「ヘアスタイル」にも、一工夫を。産後は、授乳や、赤ちゃんのお世話で、髪をきつく結びがちです。しかし、毎日同じ場所で、強く髪を引っ張るヘアスタイルは、毛根に負担をかけ、「牽引(けんいん)性脱毛症」の原因となります。ヘアゴムを、シュシュなどの、より優しい素材のものに変えたり、結ぶ位置を日によって変えたり、あるいは、ヘアバンドやクリップを活用したりして、特定の場所に負担が集中しないように、心掛けましょう。